我が家にマニュアル車の208アリュールが来て3か月が経過しています。
![イメージ 1]()
僕はMT免許を持っていましたが、教習所以来14年のブランクがあっての、
マイカーとしては初のマニュアル車でした。
嫁さんはAT限定免許だったので、AT限定解除講習を受けに行って、解除に成功しました。
しかしAT限定解除の場合は講習・試験は教習所内だけに限定されます。
そんなMT未熟児な我が家が、2人して「せーの」でMT車に挑戦し、
今は普通に日々の運転をこなせるようになっています。
あり得そうなのは、男性は独身時代にMT車を運転していて慣れているが、
奥さんはMT車を運転したことがない、というパターンかと思います。
我が家と同じような境遇の人がもしいたら、あるいは同じことをやろうと考えている人に、
参考となればと思ってこの記事を書きます。
マニュアル車に乗るのって、やっぱり大変?怖い?
もちろんMT免許を取る時には路上で十時間以上は運転するので、
免許を取ってすぐに自分の車で乗り始めることができれば、
大変とか怖い思いをせず、一番スムーズにMT車の運転に慣れる方法でしょう。
しかし多くの人はMT免許を取っても、すぐに運転するのはAT車でしょうし、
MT車に乗ろうとしたときにはブランクが何年も開いている状況で、
クラッチ操作ってどうやんだっけな、左手・左足は動くかなと不安になります。
そしてAT限定解除の人の場合はもっと大変で、路上は一切運転しないわけです。
教習所内はほぼ平坦な道ばかり、教習車しか走ってない、歩行者もいない。
起伏があって、トラックやタクシーが走り、歩行者や自転車がいる路上とは全く違います。
仮にAT限定解除に成功した直後であっても、路上でのMT車の運転は怖いと思います。
MT車乗り始めからの様子をグラフにしてみました。
まず、乗り始めは「エンスト・坂道発進の恐怖」が壁のように大きいです。
半クラッチが分からないので、急にクラッチを上げてエンストしがち。
後ろに車がいると焦って、クラクションを鳴らされた日にはパニックになります。
坂道発進も、教習所でやったのと同じ感じで坂道発進しようとすると
かなり時間がかかるので、後ろに車がいると焦ります。
かと言って踏みかえ発進しようとすれば、半クラッチが分からないので
車体がズリズリと後ろに下がって、焦ります。
急な坂道で車体が速く下がる時には、その恐怖感は結構なものです。
最初のうちは、坂道で止まる度に「うわぁ坂道だぁ」と滅入ってしまいます。
我が家は坂が多く交通量も多い横浜に住んでいるので、
「坂道発進の恐怖」の波状攻撃を受けましたねぇ。
「エンスト・坂道発進の恐怖」だけで、マニュアル車に乗るのを諦めさせる破壊力があると思います。
「何でそこまでしてマニュアル車に乗らないといけないの?」
と奥さんが言ってもおかしくありません。
我が家の場合、もともと奥さんがMT免許を取りたがっていたとか、負けず嫌いな性格とか、
208も含めて輸入車に乗りたいと思っていた、だから乗り越えられたと思います。
あまり乗り気でない奥さんを説得してマニュアル車に乗ってもらおうとする状況では、
「もうやだ!」と言って投げ出してしまうかもしれません。
エンスト・坂道発進の恐怖は、結局「半クラッチ」を体得すれば怖くなくなります。
またエンストに慣れて、エンストしても焦らなくなることもありますね。
こうなると「恐怖感」というものが急速に下がっていきます。
次に、ギアチェンジが未熟なことによって「運転がスムーズでない」
ということがストレスに感じるフェーズがやってきます。
特に1速で発進してから2速に入れる時に、加速力が途切れて前につんのめったりする、
要はギアチェンジ時のギクシャク感ですね。
ギアと車速の関係が分からないから、時速何kmになったら次のギアにすればいいか?
スピードが落ちた時に何速に落とせばいいのか?などが分かりません。
さらに上り勾配では、平地と同じギア選択では車速が上がって行かない時がありますから、
上り坂では普段より高い回転数まで上げてから次のギアに入れる、
ということもしなければならない。
このギアチェンジについては、「エンスト・坂道発進」のような恐怖感はなくて、
「何かよく分からないなぁ」「車がギクシャクするなぁ」というストレスです。
1速→2速は時速12kmくらいならギクシャクしない、
2速→3速は時速28kmくらいならギクシャクしない、
3速→4速は時速40kmくらいならギクシャクしない (208アリュールの場合)
ということが、乗っているうちに体感として分かってきます。
各ギアと車速の関係、これが分かってくれば運転がスムースになります。
この基準が出来上がったら、上り坂では基準を少し上のスピード域にずらして考えればOK。
こうして、下手なギアチェンジのストレスも急速に小さくなります。
ここまで来ると、エンスト・坂道発進を克服して、車もスムースに動くようになった、
「運転がうまくなった」と感じることで、快感を感じるようになります。
人間は困難を克服することで達成感・快感を感じる生き物です。
半クラッチでエンストなく発進し、適切なタイミングで適切なギアを選択して運転する、
道路の勾配も考慮に入れて時にはギアチェンジのタイミングも変える、
これらの作業は全て運転者が感じて、判断して、四肢を動かして、それで車が動いているんだ、
ということを日々噛み締めながら運転を楽しめるようになります。
結局、「初めてのマニュアル車は怖いか?」
という問いに対しては、まあハッキリ言って
「やっぱり怖いっすよ。ナメたらアカンですわ。
でもその向こう側には、いい世界が待ってますよ」
と回答しようと思います。