軽自動車は進化しましたよねぇ。
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僕が最初に車を買ったのは2008年、タントカスタムのターボを買った。
その時ですら、外観・内装・走行性能は「軽とは思えない」と思ったし
レビュー等でもそういった評価をもらっていた。
そして2016年、軽はますます進化して、外観も装備もレベルアップ、
マイクロハイブリッドだとか自動ブレーキといった最新の機能も搭載し、
本当に普通車に並んだ感じすらする。
しかし、ここで問題なのは、価格まで普通車に並んでしまったこと。
軽自動車は全長3.4m・全幅1.48mという寸法の制限、
排気量660cc以下、馬力も自主規制64馬力以下という制限がある。
これを超えたところで普通車は車作りをしている以上、
広さやパワーで軽自動車が普通車を超えることはない。
しかし最近の軽は、制約のない全高を無理に上げて、
やはり制約のない機能・装備面を普通車並に充実させて、
これまた制約のない外観も普通車並に豪華にして、
その結果、普通車と同等の価格をつけるに至っている。
例を見ていこう。
軽の人気ジャンル、スーパーハイルーフではNBOXが売れている。
中でもカスタムの2トーンは花形。
ボディが重量級なのでターボは必須、そうなると173万円。
軽とは思えない価格ですねぇ。
これに対してスズキのソリオは両側スライドのハイルーフという
同様のジャンルの小型車だが、184万円。その差は11万円しかない。
燃費はソリオの方が良く、ソリオ27.8km/lに対しNBOX22.0km/l。
これはハイブリッドの採用に加えて、ソリオの方が30kgも軽い(!)のが
効いていると思われる。モーター走行する分、市街地燃費も有利だろう。
さらにソリオの方が5名乗車できたり、50Nmのトルクを持つモーターが
ある分やはり力強さも上、ということを考えれば
11万円以上にソリオが魅力的に見える。
今人気のクロスオーバーSUVのジャンル。
軽でのSUVの人気の火付け役・ハスラーから、
やはりターボの2トーンルーフを取り出した。159万円。
ダイハツのキャスト・アクティバも同様の構成では近い価格になる。
これに対して、最近スズキが投入したイグニスを持ってきた。164万円。
その差、5万円しかない。
燃費はほぼ同等だが、イグニス28.0km/lに対しハスラー27.8km/l。
イグニスの方が車重が80kg重いが、ハスラーがマイクロハイブリッドなのに
対してイグニスは大きなバッテリーとモーターを積んでおり、
重い分を相殺すると思われる。
イグニスの方が5名乗車できたり、やはり大きなモーターのトルクの
恩恵を受けて力強さも上、ということを考えれば
5万円という差以上にイグニスの方が魅力的に見える。
やはり軽は安くなければ意味がない。
という方向で、アルトを引っ張り出した。
4つあるグレードの下から2番目のLは約89万円。
うーん、この辺の価格帯になると、さすがに対抗する普通車はないが、
もはや新車から持ってくなくても良くね??と思ってくる。
新車とは言え、アルトのLは本当にシンプルで飾り気がなくて、
かなりの割り切りが必要な車であると思う。
そこまで割り切るなら、実はもう新車である必要もないでしょうよと。
そこで登場いただくのが、久しぶりのスプラッシュ(笑)
年式が割と新しくて走行距離が少ないタマも減ってはきたものの、
それでも3万km走行以下のものがあって、ざっと55万円。
89万円で新車のアルトを買うより30万円以上も安いが、
よほど快適で安全で楽しいと断言できる。
少し車に詳しければ、こんな感じで、
安くても程度が良くて、しっかりと作られた中古の普通車を探して、
それに乗った方が、よっっぽど幸せになれると思う。
いかがでしたでしょうか?
軽自動車が進化して、普通車に並ぶ点もあるとは言うものの、
普通車を超えたわけではない。
なのに価格が普通車並になって、そりゃあおかしいでしょうよと。
軽は普通車に対するコンプレックスがあって、普通車に追いつけと
一生懸命努力してきた、それは認めるが、
その結果は「軽と普通車の同質化」であって、皮肉にも
軽の存在価値自体が薄まったということになっているのではないか。
昨今軽自動車が売れなくなったとニュースになっているが、
それは不景気だからとか軽自動車税の増税のせいだとか
需要の先食いの反動とか言われているが、それだけじゃないと思う。
やっぱり軽は軽らしくあるべきだったんじゃないか。
軽は内外装はシンプルに、装備もそぎ落として、
ソリオが180万円ならNBOXは130万円!
イグニスが160万円ならハスラーは120万円!
アルトみたいなエントリーの軽は70万円!
これくらいのプライスタグなら、軽の存在価値は明らかにあると言える。