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プジョーの1.2リッター3気筒エンジンの特性

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プジョーの新開発1.2リッター3気筒エンジンのトルク特性図を示します。
(上の図は「208の全て」という書籍中の記事を転写したものです)

「最大トルク118Nm/2750rpm」というスペック数値から、
トルクピークが低回転側にあることは分かるのですが、
こうして図にしてみるとトルクの山が急峻ではなく平坦な山になっていることが分かります。

比較のために一般的な1.5リッター自然吸気エンジンのトルク特性を灰色線で描いてみました。
(最大トルク145Nmを4500回転で発生する特性としました)
プジョーの3気筒エンジンは自然吸気のはずなのに、
トルク特性は一般的な自然吸気の形とは全く異なっていて、
これはもはや”ターボエンジン”の特性カーブとそっくりです。

ピンク色の領域は最大トルクの90%以上を発揮する回転域で、
実に2500回転から5000回転という広範囲の回転数に渡っています。
118Nmの90%は106Nmで、この数値を使ってちょっと書き方を変えてみれば、
「最大トルク106Nm/2500-5000rpm」
という特性を持つターボエンジンだと言ってもいいわけです。
しかも実際には自然吸気だから、ターボラグがないというおまけ付き。

エンジンをターボ化すると、一般的にはトルクが1.4倍くらいになるので、
118Nmという数値から逆算すると、800ccターボエンジンと思えばいいでしょうか。
プジョーの1.2リッター3気筒エンジンは、「自然吸気で最大トルク118Nm」というスペックから
平凡な特性のエンジンだと過小評価されやすいと思うんですが、
「0.8リッターターボエンジンが車重1070kgに乗っかってます」
と言われたら、どう感じるでしょうか?悪くない響きじゃないですか?

ここまで言えば、クルマ通は連想するはずです。
フィアットの0.9リッターツインエアエンジンのことを。
TwinAirエンジンは”最新のダウンサイジングエンジン”というイメージで、
最大トルク145Nmを1900回転で発揮する特性。
これが新型パンダ(車重1070kg)に搭載されているほか、
海外ではアルファのMiTo(車重1130kg)にも搭載されています。
こんな感じで考えれば、プジョーの1.2リッター3気筒エンジンが1070kgの車体に乗った
208アリュールが特別パワー不足とも思いません。

そして、実際のドライブでもパワー不足を感じることはありません。
もう一度上の特性図を見てみると、
「3000回転までは1.5リッターエンジンと同等のトルク」
ということが分かります。
1070kgのボディに1.5リッターエンジンと思えば、これは相当な余裕だと感じます。
4000、5000回転と上までギューンと回して楽しむ人なら「加速の伸びが足りない」という感想を抱くでしょうが、
「回しても3000回転まで」という使い方しかしない僕のような人間には全く不満を感じないです。
というか上までギューンって回す人は相当な車好きで、
ほとんどの人にとっては低回転からトルクが出て燃費が良くて扱いやすいエンジンが良いと思うんですが。
マニュアルの208アリュールを運転するにあたっては、
3000回転くらいまでのゾーンを使うように適切なギア選択をして、
トルクで押し出してあげるような運転が良いということですね。

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