トヨタのデザインが先鋭化、奇抜化して久しい。
上の車は、私が「史上最悪のデザイン」と表彰したい車なのだが、
それは僕だけではなくて、評論記事を見ても、
頑張っても「個性的だ」という表現で、
「奇抜だ」「ちょっとやり過ぎではないか」という論調がほとんどだ。
福山雅治がCMで「エロいな」とか言っていたが、意味不明。
掲示板などでも、否定的なコメントが圧倒。
そしてアルファード、ベルファイアについても同様だ。
普通は表現が丸められる評論記事でさえも
「威圧感を出し過ぎではないか」
「私には分からないが、こういうのを好む人もいるのだろう」
という書き方になっている。
掲示板は、まー荒れますね(笑)
アル/ベルのデザイン単体への強烈な否定が多いのはもちろんだが、
煽り運転に代表される運転マナーの低下という社会問題にも絡めて
アル/ベルに乗っている人を否定する意見、
そしてこういうデザイン戦略を取っているトヨタ自身への否定も多い。
まあ、このような過激なデザインは、好き嫌いが分かれることを
承知のうえでの戦略であって、そのこと自体は私も否定しない。
否定しないどころか、むしろ好きな戦略ですらある。
でもそれにはある条件があって、
1. 良さが分からない人はいるが、好きな人はすごく好き
2. 好きvs嫌い が1:1くらい
3. そのマーケットの中で中堅~下位の企業が取る戦略
今のトヨタの戦略は、いずれにも当てはまっていない。
今のトヨタのデザインは「良さが分からない」レベルではなく
明らかに「嫌い」、私にいたっては「大嫌い、見たくもない」レベルだ。
そして「嫌い」という人の方が明らかに多数派と思われる。
好き嫌いがある特徴を採用してターゲットを絞る戦略は、
シェアトップのトヨタが取る必要は、本来、ない。
シェア3~5位くらいの企業が、爆売れこそしないが確実にシェアを取る、
値引きせずに収益を上げるための戦略としてふさわしいのだ。
ということで、今のトヨタの戦略は私的にも理解できない。
トヨタの奇抜デザインは、これだけ大量のアンチを生んで、
果たしてトヨタの得になっているのだろうか??
「得」と書いたが、企業としてみれば、
プリウス、アル/ベルともに販売は好調で、トヨタ自身も2017年度の
営業利益は過去最高の2.4兆円を稼ぎ出している。
ということは、「得」になっていると見ざるを得ない。
利益を生むことが企業の使命であり、利益を生んでいるということは、
そこに消費者が付加価値を見出して、多くのお金を払っている証だ。
しかしその裏で、私のような大量のアンチを生み出している。
この状況をどう考えたらよいのだろうか。今は、よく分からない。
「トヨタのデザイン戦略は正解だったのか?」
というタイトルだが、「だったのか」、つまり時間が経って、
振り返った時に、正解だったのかどうかが分かるのかもしれない。