フィアット・パンダに試乗した。
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現行パンダは、アジアン臭がするデザインになったものの、
やはり異国情緒を感じさせ、だんだん魅力的に感じてきた。
2気筒ツインエアエンジンで骨太の乗り心地と聞くし、
日本でも大変扱いやすい小型ボディサイズ。
そこにMTの「パンダ4×4」が限定車として発売され、
僕の試乗熱が一線を越えたのである。
208購入以降の試乗は、フォード・フィエスタ(試乗記)に次いで2台目である。
お邪魔したのは、
『フィアット藤沢湘南/アルファロメオ藤沢湘南/アバルト藤沢湘南/クライスラー藤沢湘南/ジープ藤沢湘南』
長い!!
その名の通り、5ブランドが集結したディーラー。すごいですね。
これが10/11にOPENしており、パンダ以外にもいろいろ見れそうと思い、
顔を出しておくことにした。
フィアット500、アバルト595、アルファ・ジュリエッタ、ジープ・チェロキーなどをじろじろと見た後、
「パンダ4×4に試乗したいのですが」
と言うと、
『これは限定車なので、試乗はできません。全国で試乗車は1台もないんです』
という回答だった。残念。
まあ、MTではないものの、ツインエアエンジンを味わうとか、乗り心地を確かめるという点では
ノーマルのパンダでも十分なわけだし、セミATの感じを知ることもできるので、
ノーマルパンダの試乗をさせてもらうことにした。
試乗車は2014年2月1日に発売された限定車「パンダ・ジャンデューヤ」だった。
チョコレート色のボディは小洒落た感じで素敵。
こういった配色はルノーカングーの限定車にもあったのを思い出したが、
このような感覚はイタリアやフランスの人にやらせると本当に上手。
全高1550mmで前席も後席も乗り込みやすい。
運転席からの眺めはインパネが若干高い印象で、小柄な人はシートリフターで上げた方がいいだろう。
ドアの内張りやインパネはやはり安っぽく、「質感」という言葉で語ってはいけない。
しかし写真からも分かるように、角の丸い四角「スクワークル」の形を統一的に使用しており、
デザイン力で勝負という感じだ。
シートはコシがあってよい。
後席も頭上空間は十分だし、座面も適切な高さがあるものの、
座面自体はやや短い。
このあたりは3655mmという全長からして仕方がないだろう。
荷室も奥行・深さともに小さく、225リッター。
さて、試乗だ。
セミATは「クラッチ操作がないだけで、基本的にはMT」ということで、
クリープ現象はなく、アクセルを踏むことで車が動き出す。
ゆっくり加速する分には、シングルクラッチの「息継ぎ」はほとんど気にならない。
しかし右折待ちからGOする時など、アクセルを踏み込む時にはトルク抜けを体感する。
オートモードではシフトチェンジのタイミングが機械任せで分からないので、
自分の感覚と合わないので「違和感」となる。
シフトチェンジのタイミングでアクセルを抜くというコツを体得するか、
マニュアルモードで変速するようにすべきだろう。
ツインエアエンジンは、「プルプル」という振動が伝わってくるが、全く不快でないのが不思議。
2気筒の1発1発が重い、と言うのだろうか?
むしろ「エンジンが働いている」という感じがして好感が持てるほどだ。
試乗コースでは残念ながら40km/h までしか出せなかったが、
アクセルに見合った加速が得られ、余裕を感じた。
さて、パンダの最大の特徴、素晴らしいポイントは、乗り心地だ。
足回りが異常にしっかりしており、大口径タイヤを履いているような感覚。
腰から下のどっしり感が異常。「ドーーン!」と走るような感覚。
それでいて、サスペンションのストロークは十分で、段差もしっかりといなしてくれる。
この感じでは高速道路も安定感抜群で走ることは間違いないだろうし、
「高速道路を走ってみたい!」と想像するだけでもワクワクしてくる。
こういったところは前車・スプラッシュと非常によく似た性格で、
むしろパンダの方がさらにその性格を強めている。
全長3655mmという、軽自動車+αの小ささであるとか、
排気量875ccというスペック、可愛い外観、安っぽい内装、
そういったところから想像する走り味とは全く異なり、
もの凄い骨太な乗り心地。驚くばかりだ。
アイドリングストップもついて18.4km/l という好燃費も実現している。
燃費のために何かを犠牲にする国産車の姿勢とは全く異なるものだ。
210万円という価格は、正直言ってちょっと高いと思うが、
この骨太な乗り味やツインエアエンジンのキャラクターは強烈で、
「運転が楽しくて仕方がない!」という感じ。
これに惚れこんで買うのも”アリ”だと思う。
気になる点は内装の安っぽさと、荷室の狭さ。
逆に言えばこれだけであり、かなり魅力的であると思う。