妻の帰省も兼ねて熊本旅行に行ってきた。
![イメージ 1]()
![イメージ 2]()
![イメージ 3]()
そこでミニバンをレンタルしたのだが、
車のローテーションの関係で1クラス上の車を借りることになった。
それが三菱デリカD:5、しかもクリーンディーゼル!
さらに走行距離600km程度の新車状態というおまけ付。
とんだラッキーから旅行が始まった。
5日間にわたってじっくり使用することができた、そのレポートである。
デリカD:5
デリカD:5、個人的には結構好きな車だった。
ミニバンにありがちな生活臭がなく、
タフさやアドベンチャーを感じさせる。
ギラギラとした余計な加飾もなく、武骨さを感じさせるところは
先代のエクストレイルと共通する印象だ。
アンダーガードのシルバーとホワイトのボディのコントラストも
地味に効いていてカッコイイ。
2007年1月の発売だから、登場から8年半が経過していることになるが、
デザイン的には古さを感じさせないし、
クリーンディーゼルエンジンの追加等もあってまだまだ戦える。
ディーゼルの排気量は2.2リッターで、最大トルクは360Nm。
1880kgという重量ボディにも関わらずJC08モード燃費は13.6km/Lだ。
しかも安価な軽油使用ということで、ガソリン車と比べると
ガソリン代は2/3程度になるのでは。
室内に乗り込む時には、フロアが高いので「よっこいしょ」と
よじ登る感覚だ。お年寄りや子供には大変かもしれない。
インパネはシンプル。しかしその方がデリカのキャラに合っているし、
実用上では何の問題もない。
写真ではインパネ中央がシルバーになっているが、
実車ではピアノブラックになっていたりして、
決して質感が不足しているという感じはしない。
インパネ上部がフラットになっているし、ボンネットが短いので
見切りは良いし、細い路地から出る時なども視認性が良い。
フロアが高いものの、全高が1870mmあるおかげで室内高は必要にして十分。
2列目はキャプテンシートになっていてゆったりだった。
3列目は今回は子どもの専用席になっていたが、
大人でも十分座れるスペースがあり、膝を折り曲げるとか
シートが簡易的でペラペラといったことはなかった。
3列目もきちんと使えるミニバンと言っていい。
ただ、3列目まで使うと荷室の奥行は短くなってしまい、
スーツケースは立てて収納するしかなかった。
それと、リアドアの重さには閉口した。
僕でもしんどかったので、女性や高齢者では相当厳しいと思われ、
これだけで購入ストップがかかる可能性があると言っても過言ではない。
リアゲートの電動クローズ機能が欲しくなる。
ここからはドライブフィールについて。
まず、ディーゼルエンジンに関することについて先に述べる。
最大トルク360Nmという数字だが、発進はもっさり。
時速30kmくらいからトルクが盛り上がってくる感覚だった。
ガソリン版を知らないのだが、ディーゼルという割には少々拍子抜け。
車重が1880kgあるから仕方ないのか。
時速40kmあたりからの中間加速は確かに力強い。
1500回転あたりから2000回転あたりまでの、
ガソリン車に比べたら低回転の領域を使ってクーッと坂道を登っていく。
坂道では登坂車線を走らなくても大丈夫だった。
高速道路も走ったが、多少の起伏があっても低回転を維持しながら
走れるというのは、ディーゼルの最大のメリットだろう。
一方で、ディーゼルの騒音。
アイドリングから発進、3~4速を使う時速60kmくらいまで、
ディーゼル特有の「カラカラ音」がかなり聞こえてきた。
乗っているうちに慣れてくる、という意見も目にしていたが、
僕は慣れるどころかどんどん気になっていってしまい、
3日目くらいから「勘弁してくれ」状態になってしまった。
音量も結構大きいし、音質も耳に付くもので、
アクセルを踏むのがちょっと嫌になるほど。
試乗する前は、「低回転で力が得られるディーゼルはすごい」としか
思っていなかったのだが、乗ってみると「吹け上がりの悪さ」も気になった。
ディーゼルということで、最大馬力は3500回転で発生する低回転型。
エンジンのうなり方とか力の出方から言えば、
ディーゼルの2000回転がガソリンの3000回転、
ディーゼルの3000回転がガソリンの4500回転くらいの感覚だった。
アクセルを踏んでもタコメーターの上がり方が鈍く、
「レスポンスが悪い」とか「ピストンの重さ」みたいなものを感じてしまった。
アクセルに応じてヒューンとタコメーターが上がり、
それに応じてトルクが得られる方が気持ちいいと思ってしまう。
高速道路を含み、信号は多くなく山間部を主に走り、
エアコンはフル稼働で539kmを走行して51.15Lを給油したので
燃費は10.54km/L という数値であった。これをどう捉えるか??
もしガソリン車だったとしても、9km/Lくらいは行ったのではないか?
ディーゼルなら12km/Lは行って欲しかったなぁと思う。
ということで、ディーゼルに関して整理すると
〇中間速度~高速走行時ではトルクの恩恵を感じた
△燃費はちょっといいくらい
×低速~中速時の盛大なガラガラ音
×エンジンの吹け上がりの悪さ
となり、正直言ってネガな印象が大きかった。
デリカのディーゼルは特にガラガラ音が大きいという意見もあるので、
これが一般的なディーゼルと思わない方がいいかもしれないが、
僕自身、ディーゼルに対する見方が一つ冷静になったことは間違いない。
エンジン以外で言えば、ボディ剛性の高さが良かったことと、
足回りが適度に固く、それでいて路面の凹凸を上手に吸収する点が良かった。
ただ急カーブではフロアの高さが効いてロール中心が高いために
結構振られる感覚があるのはしょうがない。
ステアリングが非常に重かった。
パワステの効きが弱くなってるんじゃないかと思うくらい。
前車・スプラッシュも重いハンドルだったが、
あれはタイヤのグリップ感が感じられる、手応えのある重さで
気持ち良かったし特徴の1つと思っていたが、
デリカはただ重いだけで、操作が大変な動作だった。
エアコンの効きが異常に良く、冷えすぎて調整に苦労したほどだった。
熊本も連日35℃が続いた中での結果だから、バッチリだろう。
デリカD:5は外見やキャラが気に入っているので、
ディーゼルエンジンの短所が惜しい。
もし機会があればガソリン車の方にも乗ってみたい。