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Channel: エディの書斎
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サイドの絞り込み

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イメージ 1

208のサイドを真後ろから撮影してみました。
ドアの取っ手があるくらいの高さの位置から、
上に向かってかなり絞り込まれている様子が分かります。
もっとも「ショルダーライン」と表現できるほどには起伏はありませんが。

車のラグジュアリーさって、「サイドの絞り込み」
で決まると言っても過言ではないんじゃないかと思います。
サイドがルーフに向けて強烈に絞り込まれていたり、
タイヤハウスの出っ張り、ショルダーラインの美しさ。
こういうところで車の美しさが大きく左右されると。
ラグジュアリー感とともに、スポーティー感ともリンクする感じはします。

こういったサイドの絞り込みは、やればやるほど室内幅・室内高が犠牲になる。
全幅が1850mmから1900mmあるような車だと、
サイドを絞りこんだとしても必要な室内空間を確保できから、やりやすいわけです。
そんだけ全幅がある車ってのはやっぱり高級車になってくるわけで、
だからこそサイドの造形の抑揚が豊かになり、高級車然とした佇まいができる。

逆に、サイドの絞り込みがない車と言うと、
ノアボク・セレナ・ステップワゴンなどの5ナンバーミニバン、
ウエイク・タント・NBOXといったスーパーハイルーフ軽
などを想像すれば分かります。
モロ「箱」で、ラグジュアリー感とかスタイリッシュ感はないです。
まあ、そもそもが生活車としてデザインされているんで、そこを指摘するのはナンセンスですが。
軽の方は全幅1480mm以下という制約があるので仕方がないとしても、
5ナンバーミニバンの方は全幅は1700mmまで使えるわけで、
室内幅・室内高を犠牲にしてでももっとサイドの抑揚を使えばいいのにと思いますが、
そうなるとウィッシュやストリームくらいにルーフを下げざるを得ず、
この辺りが日本では売れないゾーンですねぇ。
ただ、ゴルフバリアント等は人気があって、生活臭のないステーションワゴンだなと思います。

コンパクトカーを取り巻く状況もやはり厳しく、
Bセグメントで全幅1800mmなんて車はないわけです(ゼロかも?)。
全幅は1700mm以下か、1700mmをちょっと超えるくらいで、
室内空間も確保しようとするので、軽ほどではないにせよサイドの絞り込みを作りこめない。
特に国産は「小さい車なのに広い」という矛盾したことを追求しているので、
そのしわ寄せの一つが「サイドの絞り込みが弱い」というところに来ています。

コンパクトカーと言うにはちょっと大きいですが、
ボルボのC30という車があって、このショルダーラインは異常なほどでした。
イメージ 2

その代わりに、全幅が1780mmあるのに後席は2名しか座れませんでした。
スタイリッシュさを追求したばかりに、すごい割り切りですね。

前車のスプラッシュは、背高のコンパクトカーなのにスタイリッシュだったんですが、
その理由はサイドがかなり絞り込まれているからだと思いました。
イメージ 3

そして208のサイドを改めて見てみると、C30ほどではないですが、
まずまず絞り込まれていて、だからこそ208のラグジュアリー感が出ているのかなと。
ただし、後席は3名がけをキープしているものの、端っこに座ると頭周りが狭い感じがしますね。

ラグジュアリーさと実用性は両立しない。
室内空間を犠牲にして得た造形美だからこそ、ラグジュアリーだと言えるのかもしれません。
「贅沢とは何か?」という基本的な定義から考えないといけないかもしれませんね(笑)

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