街を走る国産車の中で美しいと感じる車は少ないんですが、
その中で「国産セダン」となると見かける回数が激減する。
落ち着いて乗れる国産の上級志向セダンとしては、このティアナが気に入っている。
全長は4880mmもあり、そのおかげもあって非常に伸びやかで流麗なボディライン。
このクラスはマツダ・アテンザセダンもほぼ同じディメンジョンで、
アテンザセダンの存在感の方が目立ってきているが、
どっこティアナもなかなか良いし、街で見かけることも結構ある。
レクサスやクラウン等のトヨタ系セダンのデザインが先鋭化してしまい、
アテンザもトヨタ系ほどではないにせよスポーティーで前のめりな方向性になっている今、
ティアナのような「適度な落ち着き感」は大事にされるべきだ。
誰もかれも先鋭的でスポーティーなデザインを好むわけではないのだ。
内装もクラス相応の質感を備えている。
写真の黒ベースの他、ベージュをベースにしたタイプも選べて、
こちらは内装の雰囲気が明るくなる。
パワートレインは2.5リッター自然吸気とCVTの組み合わせのみ。
今のご時世、このクラスならば1.6リッターターボエンジンが欲しくなるところ。
しかしマイナーチェンジで自動ブレーキが装備され、この辺はアップデートされた。
ティアナの最大の長所、それは価格にある。
全長4.9mに迫る2.5リッターセダンが、なんと249万9120円(XEグレード)から買える!
自動ブレーキこそ省かれるものの、これは安いでしょう。
ましてやティアナの販売台数は多くはないから、アテンザなどと競合させれば
さらに値引きも期待できる状況にある。買い得セダンはズバリこれ。
中級グレードのXLは約40万円アップの289万6560円。
自動ブレーキが付き、ヘッドランプがキセノンになり、ハンドル等の操作部が本革になり、
運転席パワーシート、助手席はオットマン付のパワーシートという豪華仕様。
上級グレードのXVになるとさらに約30万円アップの319万6800円。
シートが本革になることに加えて、前席はエアコンシートになる。
表皮の細かい穴から冷風や温風が出るという高級仕様だ。
さらにアルミホイールが17インチに格上げされ、堂々とした外観になる。
上を見ると欲しくなってしまうが、なくてもいいものと言えばそうで、
ベースのXEグレードが250万円を切る価格で買えるのは衝撃的ですらあると思う。
一方、上級グレードのXVを見れば、本革のエアコンシートまでついても320万円である。
同じ内容の輸入セダンを考えたら、これはもうお買い得と言わざるを得ない。