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フォード・フィエスタ試乗

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各所でフォード・フィエスタの評価が高い。
それは特に走りの質感の点であり、これは試乗せねばなるまいと思った。
208アリュールを購入して以降、初の試乗となる。

イメージ 1

最近のフォードが推進する「キネティック・デザイン」。
フィエスタのそれは躍動的というか過激とも思えて、ちょっと引いてしまうのだが、
実物を目の前にすると写真ほどのアクは感じず、カッコイイとまでは行かずとも
受け入れられるレベルと感じた。ボディのメタリック塗装が非常にきれいで、質感が高い。

イメージ 2

運転席に乗り込む。
ステアリングはやや太めのグリップで剛性が高い。
メーター周りやシフトレバーの質感は高いが、センターコンソールの操作ボタンが煩雑な印象。
ダッシュボードはザラッとした表面仕上げになっていてハードプラスチックかと思うが、
触るとソフトパッドなので驚く。仕上げが安っぽく見えてしまうのはもったいない。

イメージ 3

シートは欧州車らしく、堅くてサポートのしっかりしたもの。
しかし表皮はファブリックなので質感とか見た目のゴージャスさというところは普通。
ドアを閉めた時の音が「バチャン」という安っぽい音で驚いた。
まあ、普段乗っているのが3ドアの208アリュールで、重いドアに慣れているというのもあるが、
にしても随分と軽々しい。ドアの内張りもヤワヤワ。

イメージ 4

車高は1475mmだが、身長174cmの僕でもスムースに乗降でき、着座感覚も良好。
足元、頭上にもまずまず余裕があり、普通に乗っていられる。
後席ドアも前席ドアと同じく、「バチャン」という軽々しい音がして、内張りもヤワヤワなのは残念。

さて、フィエスタ注目の走り
走り出して30mくらい走っただけで、尋常でない「どっしり感」に気が付く。
腰から下が異常に発達しているような(?)。
足回りは引き締まっていて、路面の細かい凹凸を伝えてくるものの、
ガツンという入力は丸めてくれる。
時速60kmくらいで流していると、「キーン」という、さながら新幹線のような直進性。
ハンドリングもやや重めで、「骨太」という言葉がぴったり。

ゼロスタートからの発進は6速DCTによってスムースに加速していき、
その加速感がものすごく、アクセルペダルを踏んだ分だけリニアに加速する、
いや意図した以上の加速感すら感じさせる。坂道でもグングン加速していく。
これが1リッターエンジンとは全く想像できない。すごい。
ただ、減速してからの再加速ではアクセル操作に対してモタつく。
DCTは次のギアを予測して準備しておく仕組みだから、減速時には低いギアを用意しているわけだ。
予測から外れるとスムースなギアチェンジというわけにはいかない。

エンジン音は「ブロロロ」と野太い音。スポーティーでよい。
しかしアクセルを踏み込んでもその音圧はほとんど高まって来ない。
エンジンルームからの遮音性、外部からの音もきっちり遮音されているからで、
静粛性はクラス随一ではないだろうか?このあたりも感心する。
1リッターという小排気量エンジンなので、高回転まで回して走ると思いがちだが、
実際には1400回転から最大トルクを発生するからそんなに回さないし、
回しても高い遮音性でストレスを感じさせない。
ヴィッツやパッソの1リッターエンジンは一体何だろうかと思ってしまう。

■まとめ
走行性能はほぼ満点ではないか。スムースで力強い加速、引き締まった足回り、
骨太のハンドリングは、確かに気持ちいい。
静粛性も非常に高い。
内装やシートやドアなどは、国産Bセグの上級グレードといった感じで、そこまで高級感はない。
パッケージは優秀で、大人4人が快適に乗れて、荷室も十分。
ユーロNCAPで5つ星の衝突安全性や低速時衝突回避機能なども入って235万円というプライスは、
割安とも割高とも感じない微妙な値付けか。
「骨太な運転感覚を持つ、ちょっと品位がある、小さい車」
を求める人にぴったりだろう。

■スプラッシュの兄貴分?
このフィエスタ、多くの点でスズキ・スプラッシュと近いと感じた。
「スプラッシュにもっとお金をかけたらこうなりました」的な。
それは異常にどっしりしていて、細かい路面の凹凸を伝えてくる、しかし強い入力はいなす足回り。
骨太なハンドリング。高い衝突安全性。
内装の質感がイマイチな点(笑)。
あっさりした表皮ながらガッチリしたシートなんか、まさにスプラッシュと彷彿とさせるものがあった。

しかし1.2リッター自然吸気にCVTを組み合わせたスプラッシュに対し、
1リッターターボ+6速DCTのフィエスタが加速の力強さ、ダイレクト感という点では明らかに優れている。

■208アリュールと比較して
スムースで「ギュギューン」と力強く加速する点はフィエスタに惹かれるものがあるが、
時に意図する以上に加速してしまうのが怖いと思った。
「スピードを出すにはギアチェンジをしなければならないマニュアルの方が安全だと思った」
とは嫁さんの弁で、パワーはそこそこ、マニュアルの208アリュールはそれでそれで「アリ」。
足回りは208も結構引き締まっているから、フィエスタとの差は大きくはない。
インパネ周りやシートの質感は208が明らかに上。スタイリングも208が好み。
静粛性・パッケージはどちらも優秀で甲乙付けがたい。
総合的に見て、やはり208アリュールを買って良かったと思った。

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