九州旅行の際にレンタカーのデリカ(6AT)に乗り、
嫁さんは自家用車のタント(CVT)にも乗ったんですが、
その後に我が家の208アリュール(5MT)に乗ると、
もう「MT最高!」と叫んでしまいそうな我が夫婦です。
でも今の日本におけるMT車ってのは
「走りにこだわっている人がわざわざ選ぶ」
というイメージですよね。
我が夫婦がそうだと言われるのは、しっくり来ません。
走りにこだわっているってのは、フェアレディZとかRX-8とかの
スポーツカーに乗っている人を言うんですよ。僕らは違いますよ。
我が家の車は、そういったスポーツカーのようなハイパワーはないですし、
それどころか82馬力&118Nmの、スペックとしては非力な車ですよ。
だけどMTなら、ギア選択をうまーくやることによって
その力を引き出してあげることができるんですよ。
登坂とか急加速など力が必要な時は低いギアを選んで回転を高めにする。
パワーが不要で燃料消費を抑えたい巡航時には
高いギアを選んで低い回転で走らせる。
これがギア選択の基本的な考え方ですが、
それを車任せにするのではなくて「自分で」やるってのがポイントなんですよ。
エンジンの回転数とパワーの関係を体で感じて、
自分が走らせたい感覚に合わせてギアを自分で変えたり、固定したりする。
僕らがMTに求めているのは、大きなパワーではなくて、
「自分の走らせたいイメージ通りに走らせる」ことなんですよ。
自分が走らせたいイメージがあるのに、そこに車が勝手に介入してきて
ギアを変えちゃうと、そのイメージからずれるじゃないですか。
それが違和感なんですよ。だからATじゃダメなんです。
パドルシフト付のATでもいいじゃんて意見もありますが、
今何速なのかってのがインジケーターを見ないと分からないから、
パドル使いだすとインパネをチラチラ見ないといけないのが面倒だし、
今のギアから±1段しか変えられないし、回転数によっては
変速指示がキャンセルされちゃうこともあるんですよ。
その点、MTならシフトノブの位置でブラインドで今のギアが把握できるし、
2速→4速とかの1段飛ばしもOK、低回転とか高回転でもギアが入るし、
本当に自由自在なギア選択ができるんですよ。
ここまで語ってしまうと、僕はやっぱり
「走りにこだわっている」ことになるんでしょうかね(苦笑)
でも、今の日本でMTが絶滅寸前というのがちょっと理解できないですね。
まあ最近はマツダ車をはじめとしてMTが復権してきているという部分も
ありますが、復権なんて言ったって新車販売比率の2%以下だったのが
2%超えました、くらいの微々たるものでしょうし、まだまだ少ないですよね。
MTは本来、普通のコンパクトカーやミニバンなど、広く設定があって
然るべきだと思うんです。「MT=スポーツカー」とか、
「MT=走りにこだわる一部の好き者が選ぶ」というイメージは、
そういったラインナップに絞ってしまったメーカーにも責任があります。
日本の都市部では渋滞が多いのでATが好まれるという説もありますが、
(僕は渋滞でMTが億劫だなとは思わないんですが)
少なくとも渋滞や信号が少なく登坂やワインディングの多い郊外では、
もっとMT比率が高くて然るべきだろうと思いますが。
それで日本全体ではAT:MTが7対3くらい、なら納得できます。
MTの良さ、素晴らしさってものを、メーカーや評論家やメディアは
もっともっとアピールすべきだと思いますね。