パンダ4×4と320iクーペでは、新車時の本体価格はほぼ倍違うわけです。
そういう意味では、走行性能は320iクーペの圧勝という風に、
普通は思われると思います。
まあ、一口に「性能」と言っても、加速、ハンドリング、足回り、
ブレーキングなど複数の要素があるわけですが、
「意のままに走る」という尺度で言えば、
これはパンダ4×4が明らかに優れています。
理由は3つあります。
①MT
一般にATは、アクセルの踏み込み量、そしてパドルを使って、
運転者がギアを制御できるわけですが、
MTはシフトレバーとクラッチで直接ギアを操作できる。
「意のままに走る」という点では、「意」を持っている人間が
ギアを直接操作するMTに勝るものはないわけですね。
320iクーペのATはよくできていると思いますが、
坂の角度、車速、回転数、交通状況などを運転者が総合的に判断して
直接ギアを操作するMTの素晴らしさに、改めて気づくことになりました
②トルクに優れるエンジン
MTであっても、エンジンパワーがプアでは、
運転者が得たいパワーが得にくい状況も出てきます。
しかしパンダ4×4のツインエアエンジンは本当に力強く、
4000,5000といったゾーンまで回さなくても、
2000以上くらいのゾーンでぐんぐん登っていくことができます。
本当に875ccという排気量が信じられません。
低回転からトルクが出るエンジンを、
最適な回転数を使える6段のMTで操る。
この相性は最高です。
③小型で視点が高い
パワフルなエンジンとMTとの組み合わせであっても、
大型のスポーツカーでは都市部やワインディングの狭い道では
減速を余儀なくされたり、緊張が高まる状況も出てきます。
その点、パンダ4×4は全長3.7m×全幅1.7m以下というコンパクトさ。
さらにベースのパンダから最低地上高を上げられた
見晴らしの良いシートポジションで、車体感覚がつかみやすい。
自分の体と一体化したような感覚になります。
この3点が合わさって「意のままに走る」感覚が生まれています。